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[メイドインアビス]深層に行けば戻ることが難しくなるアビスの呪いは従来のダンジョン探索ものとは違った面白さ

メイドインアビス ダンジョン探索ものといえば真っ先に思い出すのがPC初期から登場したダンジョンRPGに分類されるジャンルなのですが、メイドインアビスはこれらのゲーム作品とよく似ています。その代表的な要素が「アビスの呪い」です。このアビスの呪いが従来のダンジョン探索とは異なる恐怖を視聴者に植え付けます。しかも、このアビスの呪いは深層に行けば行くほど酷くなる。

最初は深界一層では頭痛や吐き気程度のものですが、これが深界四層とかになると生命の危機にさえ至るという。ただ、アビスの呪いについて解説する前にメイドインアビスという作品の概要を紹介したほうがわかりやすい。メイドインアビスはシーズン1の13エピソードと劇場版までありますが、Netflixでは劇場版は配信されてないので、レビューの範囲はシーズン1までとなります。

目次

1.メイドインアビスの概要

2.アビスの呪い

3.二人の主人公リコとレグ

4.奈落の底に待つものとは

メイドインアビスの概要

物語は「アビス」と呼ばれるこの世の最後にして最大の穴の最下層に挑む少女「リコ」とロボットの少年「レグ」の物語。リコはライザという白笛の母親を探しに。レグは自分がどうしてロボットで深界一層で倒れていたかを知るために。この物語はまだ原作でも、アニメ、劇場版でも完結してないので最下層が何層になるかまではわからないのですが、アニメに出てくるのは深界7層までです。

リコはあるとき、アビスの深界第一層で、謎のロボットの少年レグを拾います。レグというのはリコが飼っていた犬の名前を付けただけなのですが、それから二人はリコが暮らしている孤児院で一緒に過ごすことになります。

2ヶ月後の復活祭の夜、リコは母親ライザの白笛と共にアビスから上がってきた情報と自分宛に書かれた手紙を見つけます。それは、「アビスの底で待つ」という走り書き。リコはライザが生きていると信じて、レグと一緒にこの世の最後の秘境「アビス」に挑みます。

それから、二人のアビスの探索が始まるわけですが、アビスという秘境は見たこともない原生生物が多数生息して、遺物と呼ばれる未知のテクノロジーで作られたものまで存在します。そのため、世界中から多くの探掘家がアビスの探索に挑んでいます。しかし、アビスの探索は獰猛な生物や自然環境のために困難を極めるものであり、特に恐ろしいのが戻ることを困難にする「アビスの呪い」です。

二人の主人公リコとレグ

大穴の街「オース」からアビスに挑戦するのは探窟家の間で伝説的な存在「白笛」の称号を持つライザの娘リコ。そして、もう一人はリコが深界一層を探窟中に発見したレグというロボットの少年。

まず、リコの方ですが年齢は12歳の探窟家見習いです。持っている笛は「赤笛」と呼ばれる赤い笛。探窟家が「見習い」であることを示します。孤児院で生活していたときから彼女は母ライザのような白笛の探窟家になるのを夢見てきました。好奇心は人一倍旺盛。

見た目は可愛くて幼いブロンドヘアの女の子ですが、その性格はわりと男の子のように振る舞うことも多い。レグに裸を見られてもほとんど気にしない。ただ、アビスの白笛を目指していることもあって得意分野において多くの才能を発揮します。

例えばアビスでは食料も現地調達をしなければいけないため、上手く魚を捕まえても食べるには「料理」する必要がある。ナイフでの魚を捌いたり、内臓やら毒やら危険な部位を食べないようにする「サバイバル知識」が豊富。アビスにおける衣食住というのはそこで現地で死なないように生活する「生存能力」そのものなので、実は腕力といった戦闘面よりも、サバイバル生活を耐えられる豊富な知識が不可欠。

リコはそういう意味ではもう一人前の探窟家も顔負けの知識を身につけていました。孤児院で学んだことや、独学で知ったことなどをよく覚えています。その知識は深界において食べられる魚や植物、肉などを見極めて、名前が付いている一部の原生生物の特徴にも詳しい。ただ、戦闘する能力は12歳の女の子なので全くありません。それを補うのがロボットの少年のレグです。

一方の少年「レグ」は躯はロボットのなのに実に人間的です。見た目は少年そのもの。孤児院で他の子供たちに紛れても一緒に生活できるほど。レグには「腕を自在に伸ばせる能力」「頑丈な身体」「食べ物や電気からエネルギーを補給できる」「火葬砲」と名付けられた手から強力な砲撃を撃ち出すなど様々な能力があります。他にも頭のヘルメットに映し出される謎の文字など、何らかの能力が隠されていると推察できます。後、リコが見つけたときからなぜか記憶喪失です。

レグは主にアビスの深層に直接降りることや、戦闘する力においてリコの支えになります。腕を自在に伸ばせるので崖の上から手を伸ばして慎重に降りていけるわけですね。この腕をどれだけ伸ばせるかは最初にテストするのですが、レグが肉眼で視認できる距離なら軽く伸ばせます。ロボットアニメのロケットパンチではないので腕を伸ばしても、自在に元に戻せるのも便利ですね。

ただ、性格はわりと恥ずかしがり屋。ロボットなのに自分の股間についている生ものに赤面したり、リコに抱きつかれると赤くなるなど、レグの方が優柔不断なところが多い。ロボットなら何かの計算で決断力が高そうなのに、リコの方がピンチの時に対する反応が速い。アビスの探索での危機的な状況における迷いはリコの生命の危機に直結します。

ロボットなので最初から「アビスの呪い」を受けないというのも大きなアドバンテージです。彼だけはアビスの底から戻ってくることが可能なのです。そのため、リコからレグはアビスの底から来たのではないかと。さらに、白笛のライザがアビスの深層から持ち帰った絵には自分とそっくりなロボットの写真がありました。レグがアビスに何らかの関わりがあるのは明らかです。

彼の右手から発射される「火葬砲」についてですが、凄まじい威力を発揮して辺り一面を焼き払う。しかし、使用には重大なリスクがある。それは火葬砲を撃ったら、レグは2時間ほど昏倒してしまいます。無理矢理起こそうして、ハンマーで叩いたり、ドリルで穴を開けようとしても起きません。つまり、撃てば最後。2時間、リコが一人で自分の身を守る必要がある。

ただ、リコだってレグが気絶して完全に無力になるわけではないです。アビスの豊富な「知識」と卓越した「状況判断能力」で窮地を切り抜けていきます。

戦闘能力がないほとんどないリコが2時間、アビスで生き延びるのは困難。それがまた窮地の時のレグの決断を迷わす。レグは火葬砲での卒倒以外は頑丈なので、リコを守りますが、それ以外のサバイバル知識は皆無です。まともな料理もできない。アビスの原生生物は人を騙す知恵すら身につけているので、レグ一人では先に進むのもまた難しい。

つまり、アビスに挑むにはリコとレグの協力が必要。ただ、探窟家は3人一組で行動することが多い。でも、これは冒険する上で必要以上の人数が3人以上なのは山を登るときなどもそうですが、一般的です。多くのダンジョンRPGでは3人から6人が一般的な人数です。一番大事なのは役割分担なんですよね。

ダンジョンRPGでは役割分担は主に物理戦闘が得意なファイター。魔法攻撃や鑑定知識が豊富なメイジやセージ。宝箱やダンジョンのトラップなど発見して安全に中身を得るシーフ。回復魔法が得意なプリーストといった同士がPTを組んでいくわけですが、メイドインアビスだと、リコはセージですね。レグはファイターってところでしょうか。

でも、2人PTのバランスは悪い。回復魔法はない世界なので、もう1人シーフや狩人といったサポート系が欲しい。危険な所に行けば人数が多すぎると離ればなれになったときの捜索が困難。2人だと、火葬砲を使ってしまえばレグが気絶するのでリコは1人になる。でも、もう一人頼れる仲間がいれば話が変わってくる。

アビスの呪い

アビスの呪いについてはアニメの中で語られるのでまずはこれを解説します。特に重要なのは「上昇負荷」です。

アビスの呪いは普通に降りていくときはかからないんです。アニメで呪いの正体については語られるのですが、基本は10mほど上がると呪いが発動します。そして、これは人間特有に発生するもので、現地の生物やロボットには関係ありません。

アビスの深層の生物にはアビスの呪いに対する何らかの耐性を兼ね備えている。飛んでいる生物も多いので軽く見積もっても10mぐらいは上昇していますしね。このような上昇負荷によって「戻る」ことが困難になっていきます。

そして、もう一つ注意しないとダメなのは巨大な鳥類などにリコが攫われたときです。アビスの呪いは上昇負荷で発生するので、すぐに救出しなければそれだけで呪いを受けて生命の危機、もしくは餌となります。

深界一層 : アビスの淵

上昇負荷は軽い目まいと吐き気

深界二層 : 誘いの森

上昇負荷は重い吐き気と頭痛、末端の痺れ

深界三層 : 大断層

上昇負荷は二層に加え、平衡感覚に異常をきたし、幻覚や幻聴を見る

深界四層 : 巨人の盃

上昇負荷は全身に走る激痛と、穴という穴からの流血

深界五層 : なきがらの海

上昇負荷は全感覚の喪失と、それに伴う意識混濁、自傷行為

深界六層 : 還らずの都

上昇負荷は人間性の喪失もしくは生命の根絶

メイドインアビスシーズン1で出てくるのはこれらのアビスの呪いです。リコが直接体験してないものも含まれますが、このアビスの呪いが恐ろしい。特に深界五層や六層になると二度と上には引き返せないレベルです。ただ、アビスの呪いを避ける遺物があったり、弱めるような場所も存在します。アビスの中心に行くほど呪いが強くなるので、反対に端の方に行けば呪いの効果は減少する。

これらを利用して生き残っている探窟家もいるので、実はアビスの脅威は原生生物や厳しい自然環境だけではなく、探窟家そのものであったりもします。特にアビスの探窟を自由に許される「白笛」と呼ばれる連中はリコとレグの味方であったり、敵であったり様々です。ただでさえ、進むのが極めて困難な秘境でサバイバル生活を余儀なくされ、その上、敵対者とも争うことになる。

しかも、リコはまだ12歳の少女。ロボットのレグは機械の手を自在に伸ばしたりする能力を持っていますが、それでも深層の原生生物にはチート能力持ちもいますので、戦闘するにしてもそう簡単に勝てない。しかも、リコを守りながら戦うことになる。

「奈落の底」に待つものとは

ただ、アビスというのは従来のダンジョンRPGでいう「門番」や倒さないといけない「ボス」がいるわけではない。下に降りるだけなら、レグの手を伸ばす装備で降りていける。ここは非常にユニークです。つまり、アビスで求められる戦闘面での強さよりも、その環境に対応できる「生存能力」なのです。

これは巨大生物から穴に隠れてやり過ごすようなおとなしい生物も生存していることから、求められるのは「力」そのものではなく「知恵」や「知識」なんですよね。的確な状況判断をしたものだけが生き残れる。ダンジョン探索ものというのは四方が壁に囲まれてることが多いですが、アビスは自然のダンジョンという点でも大きく異なる。

門番はいませんけど、アビスの呪いで上昇負荷がかかるので、進んで降りるしかない。

そして、このアビスの呪いや過酷な自然環境や原生生物によって「メイドインアビス」は下に行けば行くほど脅威度が飛躍的に増していき、物語がどんどん面白くなります。しかも、「青笛」「黒笛」「白笛」などという称号を持つ人間の探窟家も味方とは限らない。

さらにアビスの奈落の底に何があるのかという「最大の謎」が興味を引き立てます。母親のライザは生きているのか。レグは一体何者なのか。

でも、深界四層以降は人が生きる領域ではない。それでも、「未知」という言葉に魅了された探窟家が挑み続ける。さらにいえば、「お祈り骸骨」や、「トコシエコウ」「船」「遺物」といった浅い深層で見つかる数々のキーワード。アビスに潜るにつれてフラッシュバックされるレグの記憶。

原作も終了してないので謎はわかりませんが、こういうのを色々と想像して、実はこうなんじゃないかと予測していくのも面白いかと。

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ringo

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